Mosuke Yoshitake芳武茂介について


私の工芸デザイン

日本の風土で育ち、形づくられた簡素な生活文化のうちで工芸を愛する。  伝統的な固有工芸技術のなかには、今日の生活に機能する要素が少なくない。より今日に機能するためには、工芸とは本来文化財であると同時に経済財だったことをあらためて考えたい。
技術の普及発達と、民主主義社会の出現を背景にしてクローズアップしたデザイン思考はモノを生む側の論理だけにとどまらず、モノの流通や消費をも踏まえた生活用具の良質主義にほかならない。
私はデザインの姿勢に立つ工芸家のつもりで仕事をつづける。

鋳鉄器
良質の砂のある河川に沿って、鋳鉄の産地ができた。古来、鉄は人類と広く深いかかわりを持ち、煮炊き道具の鍋釜として今日に続く。アルミニュームやステンレススチールが生まれても、熱保有の豊かなその材性は、今日の生活機能に即応する。
鍋類のデザインに関心が高まったのは、戦後、食肉人口の激増と、核家族が多くなったからであろう。

陶磁器
ある説によれば、いま世界の三分の一から四分の一の陶磁器は日本製だという。技術の良質量産は日本を陶業国にし、日本人を愛陶国民にした。それにしても専門のデザイナーが少な過ぎないか。
それは美術としての陶磁器と、生活用具として陶磁器が、分断されてきたからだろう。
あるときは食器に東西の差を無くそうと試み、あるときは失った模様の復興を願ったが、主体に建築や庭園に据える照明などを試みた。

ガラス器
 戦後日本のガラス工業も長足の進歩をしたといわれる。四季を通じてガラス器は出廻るようになった。とくに私たちの喜びは、色ガラスが豊かになったことである。
 自然色を基調とする日本のインテリアに、色ガラス器はとくに効果的だと思う。

参考資料: 南陽市文化懇話会「芳武茂介デザイン・絵画展」

[2018.02.16]


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